- 適応症
- 閉塞性動脈硬化症(フォンタン分類II度以上の患者(20歳以上80歳未満の者であって、血中総コレステロール値が220mg/dl未満であり、かつ、LDLコレステロール値が140mg/dl未満であるものに限る。)に係るものであって膝窩動脈もしくは膝窩動脈より遠位の動脈の閉塞または広範囲な部位にわたる動脈の閉塞がある等の理由により外科的治療が困難であり、かつ、従来の薬物療法では十分な効果が認められないものに限る。)
- 技術の実施期間
- 2012/04/01~2012/12/31終了
- 療養内容
- 透析患者では酸化ストレス亢進により高コレステロール血症をともなわなくとも酸化LDLなど酸化型コレステロールの割合が高く全身性動脈硬化症の発症進展がみられ、―部分症として閉塞性動脈硬化症の合併頻度が高くQOLを著しく阻害する。従来のLDLアフェレシス療法は当初家族性高コレステロール血症に合併した虚血性心疾患患者に対して保険適応され、その後閉塞性動脈硬化症については高コレステロール血症をともなう患者に限定して保険適応されるようになったが、LDLアフェレシスの効果と治療効果の機序に関しては不明な点が多かった。本療法では閉塞性動脈硬化症と診断された20~80歳の維持血液透析患者のうち、Fontaine分類Ⅱ度以上の症状を有し、膝窩動脈以下の閉塞又は広範な閉塞部位を有する等外科的治療が困難で、かつ従来の薬物療法では十分な効果を得られない従来治療抵抗性閉塞性動脈硬化症患者に限定して、デキストラン硫酸カラム吸着法によるLDLアフェレシス療法を行うことができるもの。 デキストラン硫酸カラム吸着法によるLDLアフェレシス療法により、維持血液透析施行中の慢性腎不全に合併した従来治療抵抗性閉塞性動脈硬化症に対して、低侵襲でかつ酸化ストレス除去と血管内皮細胞機能活性化による持続的な臨床症状の改善が得られ、閉塞性動脈硬化症患者のQOL向上が期待できる。また、デキストラン硫酸カラム吸着法によるLDLアフェレシス療法では血液凝固因子(fibrinogen)、炎症反応促進物質(CRP)の低下作用もあり、多面的な抗動脈硬化作用がもたらされる。 なお、維持血液透析施行中の慢性腎不全に合併した従来治療抵抗性閉塞性動脈硬化症に対するLDLアフェレシス療法に関しては複数の小規模の臨床的研究における有効性が報告され、また、実際に臨床的にも試験的に施行されてきた。しかし、今回申請者らは、まず、維持血液透析施行中の慢性腎不全に合併した従来治療抵抗性閉塞性動脈硬化症に対するLDLアフェレシス療法が長期的な臨床上の改善効果をもたらすことを示した。その上で、治療前後の患者血清を用いた血管内皮細胞培養系での検討を行い、LDLアフェレシス療法による長期的持続性治療効果の機能的裏付けとなる分子機序として血管内皮特異的NO合成酵素の活性化を介した血管内皮細胞機能の改善が重要であることを世界で初めて明らかにし、米国心臓病協会(American Heart Association,AHA)刊行の国際学術一流科学誌 Arteriosclerosis,Thrombosis,and Vascular Biology(Impact factor is 7.215 by 2010 Journal Citation Reports? Thomson Reuters, 2011)に研究成果が掲載された。医学的には当療法の有効性が認められたことになる。
- 部位分類
- 循環器
都道府県 | 機関名 | 所在地 | 電話番号 | 実施期間 |
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神奈川県 | 公立大学法人 横浜市立大学附属病院終了 |
〒236-0004 横浜市金沢区福浦3-9 |
045-787-2800 | 2012/07/01(※)~
2012/12/31 |
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※データ収集は2012年7月1日より行っているため、実際の開始時期とは異なる場合があります。